先日のこと。 ダーと二人でラーメン屋さんに。 私は、そのお店の店名が入ったシンプルなラーメンを注文し、 ダーは、中華そば を頼んだ。 しばらくして、私たちの隣に幼い子どもを二人つれたお母さんがやってきた。 その親子3人は、メニューを見て、迷うことなく注文を始めた。 『中華そば2つにラーメン一つ、あとぎょうざを二皿お願いします。』 お店の人は、メモとり、それを見ながら注文を復唱したあと、さっそく調理にとりかかった。 そうこうするうちに、私たちの前には注文したものがそれぞれに運ばれてきて、 腹ぺこな二人は黙々とラーメンをすすりはじめた。 『ねぇ。』 ダーが声を発した。 『隣の親子が注文したのは、中華そば2つとラーメン1つとぎょうざ2皿だよね?』 変なことを言い出すものだ。 でも…。 不思議なもので、意識していたわけではないのに、私もその注文内容はよく覚えていた。 『そうそう。』 するとダーが続けた。 『そうだよね?中華そばは2つだよね?』 うんうん。確かに中華そばは2つ注文していた。 『あのさぁ…。お店の人が注文を復唱したとき、中華そば1つって言った気がするんだよね。』 え~ 私の記憶では親子は確かに中華そばを2つ頼んだように思う。 ダーが言うには、お店の人が『中華そば1つ』と復唱し、親子は『はい』と答えてしまったと言うのだ。 私はと言うと、壁に張られたポスターに目が行っていて、店員さんの復唱に関しては覚えがなかった。 中華そばは1つか、それとも2つか? 厨房を見た。 ぐつぐつ煮えたぎった鍋に、まあるくまとまった麺の固まりが、ほぐされては投入…またほぐされては投入された。 1つ、2つと数えていたのに、ちょうどあと1つを見届けたい続きをみる
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