boyが言った。 『ママ、ウカイって何?』 ウカイ。 そう言えばboyがまだ生まれる前に、長良川のウカイを見に行ったっけ。 川面にぼんやりと灯る明かりに照らされて、鵜が何度も何度も水中に頭を突っ込む光景。 実はこのあと、鵜たちは、やっと食べたあゆを吐かされるというのに、なんたることだ!とかなりなショックを受けたっけ。 本音を言うと、伝統を楽しむ余裕はなかった。 料理をしながら私はboyに長良川に行った話をした。 うまく話したつもりだったのに、鵜がどうやって鮎をとり、人間がどうやってそれを取り上げるのか、なかなか伝わらない。 私はしびれをきらしてキッチンからリビングへ。 『あのね、鵜はこうやって水中の鮎をパクリとやるわけ…ところが!』 と、動作を交えて、鵜が魚を吐き出すところまでをジェスチャーを交えて説明した。 なかなかの熱演だった。 ところ続きをみる
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