駅からの帰り道、 車の中でboyが言った。 『サンタさんにお願いするプレゼント、まだ迷ってるんだ。』 毎年のことだが、この時期になると、 boyとの会話から 今年もわが家にサンタさんがやってくるのだと知る。 『３ＤＳ、にしようかな。』 『え～ついに３Ｄにするの～』 驚きながらも、これはboyとサンタさんの間の契約だから仕方ないと思う。 その時だった。 ラジオのニュースが耳に飛び込んできた。 『少子化は益々進み、一夫婦の平均的な子供の数は初めて1・9を割り込みました。』 ふいに耳を傾けていたboyが怒ったように言った。 『みんなもっと産めばいいのに！』 まだなにも分からない小学４年生。 よい機会だからと思い、話しはじめた。 『産みたくても赤ちゃんを神様から授からない人だっているんだよ。だからそんなふうに言ったら悲しいよ。』 boy、しばらくだまり『ふーん、そうなんだ。』 そして続けた。 『ママは？ ママのとこにも赤ちゃんくるかもよ。』 実はこの会話、これまで何度もboyとの間で繰り返してきた。 彼は兄弟がほしくてならないのだ、 『ママはね、36続きをみる
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